大分県には2025年現在、26箇所の道の駅が登録されています。2023年7月に「たのうらら」が開業したことで、県内の道の駅ネットワークはさらに充実しました。
道の駅とは何か
道の駅は、国土交通省が登録する休憩施設で、市町村が設置者となります。「地域とともにつくる個性豊かなにぎわいの場」を基本に、3つの機能を備えた施設です。
24時間無料で利用できる駐車場とトイレを備える「休憩機能」があります。道路情報や観光情報、緊急医療情報を提供する「情報提供機能」も整備されています。そして、文化教養施設や観光レクリエーション施設を通じて地域と交流を図る「地域連携機能」を持ち、地域振興に貢献しています。
各駅では地方の特色を表現し、文化の情報発信やイベント開催を通じて、利用者が楽しめるサービスを展開。ドライブの休憩だけでなく、目的地としても訪れる価値がある施設へと進化しています。
大分県内の分布状況
大分県の道の駅は、県内各地に点在しています。別府湾エリアには「さがのせき」「のつはる」「たのうらら」の3駅があり、新鮮な海の幸を楽しめるのが特徴です。
奥豊後エリアでは「原尻の滝」「きよかわ」など、自然の絶景と特産品が魅力の駅が並びます。日田・耶馬エリアには「慈恩の滝くす」「鯛生金山」など、観光資源と一体となった駅が点在しています。
宇佐・国東エリアでは「くにさき」「いんない」が、それぞれ太刀魚やゆずなどの特産品を扱います。日豊海岸エリアの「かまえ」「やよい」では、養殖ブリや海鮮など、海の恵みを存分に味わえるでしょう。
別府湾エリアの人気施設
別府湾エリアには、海の幸を楽しめる道の駅が集まっています。
道の駅さがのせき
別府湾の海岸沿いに位置する「道の駅さがのせき」は、全国的にも有名なブランド魚の産地です。豊後水道で一本釣りされる「関あじ」と「関さば」が看板商品で、新鮮な海の幸を使った料理が人気を集めています。
イートインスペースでは、大分の郷土料理「りゅうきゅう」を使った「あじ・さば丼セット」が味わえます。佐賀関産の海藻「クロメ」を使った「クロメソフト」や「クロメたこ焼き」も、ここでしか食べられない名物です。
展望台からは別府湾から豊後水道を一望でき、晴れた日には愛媛県の佐多岬半島まで見渡せるでしょう。4月から6月は特に景色が美しく、夕日の絶景スポットとしても知られています。
道の駅のつはる
2019年11月に開業した「道の駅のつはる」は、ななせダムのダム湖を一望できる自然豊かな施設です。建物は野津原地区にある国指定重要文化財「後藤家住宅」をモチーフにした木造の平屋建てで、ダム湖側は全面ガラス張りになっています。
野津原で採れた新鮮な野菜や加工品を販売する直売所があり、カフェレストランでは野津原の郷土料理「おとし汁」や「だんご汁」が楽しめます。四季ごとの味のソフトクリームと米粉ソフトクリームを合わせたミックスソフトが人気で、ダム湖を眺めながらいただくと格別です。
営業時間は午前9時から午後5時まで。3月から11月は午後6時まで延長されています。定休日は年末年始のみで、月曜日も営業しているため立ち寄りやすいのが魅力です。
道の駅たのうらら
2023年7月に開業した県内で最も新しい道の駅です。大分市の玄関口として、にぎわいの創出と周遊の促進を図る施設で、24時間利用できる駐車場は270台分を完備しています。
過去に現地付近を走っていた路面電車を常設した歴史文化コーナーや、「おとの聴こえる広場」など、ここにしかない魅力が詰まっています。漁師が厳選した新鮮な海鮮丼や、大分の名物料理が食べられる飲食スペースも人気です。本文を続けます。
奥豊後エリアの魅力
奥豊後エリアは自然の絶景と特産品が魅力の地域です。
道の駅原尻の滝
「原尻の滝」は、幅120メートル、高さ20メートルを誇る日本の滝百選に選ばれた名瀑です。のどかな田園地帯に突如現れる珍しい滝で、「東洋のナイアガラ」と称されています。
約9万年前の阿蘇山の噴火で流れた火砕流が冷え固まり、長い年月をかけて川の流れで削られてできました。滝の下流には木造の吊り橋「滝見橋」があり、正面から滝を眺められます。上流の沈下橋からは滝全体を360度観賞できるでしょう。
道の駅では豊後大野市産の新鮮な農産物や加工品を販売しており、レストランでは地元野菜を使った郷土料理が味わえます。春には100種類約30万本のチューリップが咲き誇り、「チューリップフェスタ」が開催されて多くの観光客が訪れます。
道の駅きよかわ
コクがあり香り高い「金ごま」や、幻の桃と呼ばれる「クリーンピーチ」が全国的に有名な道の駅です。クリーンピーチは糖度が高く、7月から8月が旬の時期で、店頭に並ぶとすぐに完売してしまう人気商品です。
通年で楽しめる「きよかわももジュース」や「ももソフト」など、桃を使った加工品が10種以上そろっています。豆腐やパン、手づくり雑貨なども充実しており、敷地内には恋愛成就にご利益がある「桃神社」も併設されています。
日田・耶馬エリアの見どころ
道の駅慈恩の滝くす
名瀑・慈恩の滝の目の前に位置する、自然に囲まれた道の駅です。平成28年7月にオープンした県内24番目の施設で、慈恩の滝まで徒歩1分という好立地が魅力です。
「平成の名水百選」に選ばれた地区の清らかな水と地元産大豆で作る「万年元気豆腐」が人気商品で、「豆乳ソフトクリーム」や「豆乳プリン」など、大豆製品を中心に体に優しいグルメがそろっています。地元の新鮮なしいたけや野菜も豊富に並び、献上米にも選ばれた「玖珠米」も販売されています。
道の駅鯛生金山
1972年に閉山した金山の坑道を利用した「地底博物館 鯛生金山」に隣接する道の駅です。レストランでは坑夫をイメージしたスコップ型のスプーンで味わう「マイナーズカレー」が人気で、金粉がかかった「黄金うどん&そば」など、金山をテーマにしたメニューが楽しめます。
地底博物館では坑道見学やゴールドハンティングが体験でき、観光と休憩を兼ねた立ち寄りスポットとして多くの観光客が訪れています。
宇佐・国東エリアの注目施設
道の駅くにさき
国東半島東部の黒津崎海岸を望む道の駅で、日本有数の太刀魚の水揚げ量を誇る地域に位置します。国東ブランドの太刀魚「くにさき銀たち」を使った「太刀重」が名物で、漁協直営の食事処「銀たちの郷」で味わえます。
太刀魚の蒲焼きはあっさりしていてホクホク感が抜群で、上品な味わいが評判です。直売所では地元産のカボス、山菜、太刀魚、タコなどが並び、レンタサイクルも充実しています。
道の駅いんない
宇佐市唯一の道の駅として1999年に登録された施設です。「日本一の石橋の町」と称される院内町に位置し、西日本有数のゆず産地としても知られています。
物産館「石橋ステーション」ではゆず製品が豊富にそろい、ゆずごしょう、ドレッシング、ジャムから入浴剤まで多彩な商品を取り扱っています。レストラン「いしばし茶屋」では名物のどじょう料理やとり天が楽しめ、爽やかな「ゆずソフトクリーム」も人気です。
日豊海岸エリアの海の駅
道の駅かまえ
2019年に「Buri Laboratory」としてリニューアルし、養殖ブリを中心とした商品展開に力を入れています。「美人ブリ」「かぼすブリ」「豊の活ぶり」など、蒲江で育ったブリの美味しさを発信し続けている道の駅です。
レストラン「海鳴り亭」では「ブリ丼人気ネタオールスターズ」や大分の郷土料理「あつめし」が味わえます。物産館「きらり蒲江館」では干物やヒオウギ貝などの海産物が充実しており、木曜日限定の「塩パン」も好評です。
道の駅やよい
物産館、水族館、温泉施設、レストランを備えた複合型の道の駅です。毎朝採れたての野菜や果物、海産物、ジビエ、味噌などが並ぶ「物産館ぴかいち」、清流・番匠川をテーマにした「番匠おさかな館」、ロウリュサウナ付き大浴場を備える「やよいの湯」があります。
お食事処「くうちくり」では大分県産コシヒカリを使った料理が楽しめ、「あじフライ定食」は注文ごとに揚げるカリっとした食感が人気です。
道の駅で楽しむグルメ
海の幸を味わう
大分県は豊後水道に面し、新鮮な海の幸が豊富です。道の駅さがのせきの「関あじ」「関さば」、道の駅くにさきの「くにさき銀たち」、道の駅かまえの養殖ブリなど、各地のブランド魚が楽しめます。
海藻のクロメを使った「クロメソフト」や「クロメたこ焼き」、海鮮丼や刺身定食など、海の恵みを存分に味わえるメニューが充実しています。
地元特産品の料理
各道の駅では地元の特産品を使った料理が味わえます。道の駅おおのの「豊のしゃも親子丼」、道の駅きよかわの「クリーンピーチ」を使ったスイーツ、道の駅いんないの「ゆず製品」など、地域の特色を反映したメニューが並びます。
野津原の郷土料理「おとし汁」や「だんご汁」、大分の名物「とり天」や「唐揚げ」など、郷土料理も多くの道の駅で提供されています。
人気のスイーツ
道の駅のスイーツも見逃せません。道の駅のつはるの「米粉ソフトクリーム」と季節の味のミックスソフト、道の駅慈恩の滝くすの「豆乳ソフトクリーム」、道の駅きよかわの「ももソフト」など、各駅オリジナルのスイーツが人気です。
地元の食材を使ったソフトクリームは、ドライブの休憩にぴったりの味わいです。
訪問時の注意点
営業時間を確認する
大分県の道の駅を訪れる際は、営業時間の確認が大切です。多くの道の駅の物販施設は午前9時から午後5時頃までの営業ですが、「のつはる」は午前10時から午後3時と短めで、月曜日が定休日となっています。
レストランの営業時間は道の駅ごとに異なり、昼間のみの営業が多いため、事前に確認してから訪れるとよいでしょう。季節によって営業時間が変わる施設もあります。
駐車場の利用について
駐車場は24時間利用可能な施設が多く、トイレも24時間使えます。「たのうらら」は270台分の広い駐車場を完備していますが、繁忙期には混雑する可能性があります。電気自動車の充電設備を備えた道の駅もあるため、電気自動車での旅行にも便利です。
車中泊については、道の駅は休憩施設として24時間無料で利用できますが、宿泊目的での利用は控えるよう求められています。仮眠は問題ありませんが、長時間の滞在は避け、各道の駅のルールを守って利用しましょう。
参考URL
- https://www.michi-no-eki.jp/about
- https://rs-seki.com/facility/
- https://www.city.oita.oita.jp/o243/notuharu.html
- https://michi-notsuharu.com/
- https://www.ogatakanko.com/
- https://www.qsr.mlit.go.jp/n-michi/michi_no_eki/kobetu/harajiri/harajiri.html
- https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4558
- https://www.nap-camp.com/mag/11118
- https://www.jalan.net/news/article/290092/
- https://www.visit-oita.jp/topics/detail/503